新・住職の主張

葬儀いろいろ

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ゴミ作り 
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導師用土産
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斜陽(12/29)
・私は寺だけでなく葬儀社を筆頭とする全ての葬儀業は斜陽の域に入っていると思います。
これは、私だけでなく、誰しもが認めることでしょう。
蓮台寺を例にとれば、私が住職になってから、檀徒数は2.5倍に増えていますが、布施収入は全くの横ばいです。
ということは、1軒当たりの布施は、2.5分の1に減ったことになります。
意図的に収入を抑えてきたことではありますが、こうしなかったならば檀家が増えることなどあり得なかったでしょうから、これも寺の斜陽の表れだと思います。
ただ、できうる限り負担を小さくするという、蓮台寺のこの20年間の試みは、斜陽の中において葬儀業界が採るべき見本の1つになると思っています。
私が「良識の葬儀」を立ち上げたのは、蓮台寺方式を非檀徒にも適用できるような環境を作り、西湘地区での葬儀不幸をなるべく少なくしようと思ったからです。
蓮台寺方式を採用すれば、遺族に無駄な負担をかけさせる今のやり方に比べれば、葬儀社の利益は確実に減ります。
しかし、この無駄を続けていけば、葬儀の規模はどんどん小さくなり、やがて葬儀を行わない火葬式が増えていき、利益どころではなくなるはずです。
私は、葬儀は人類が作り上げた心の文化であり、継承されるべき必要不可欠なものと思っています。
誰もが好き好んで火葬式を選んでいるのではありません。
可能ならば、故人と縁ある多くの人に弔って欲しいと思うのが遺族の真情だと思います。
それを阻んでいる主因が現在の過剰接待による「余分返し葬儀」である以上、これを捨てて「半返し」の精神に立ち戻り、本来の葬儀を復活させるのが、斜陽から脱する唯一の道だと思うのです。
寺も葬儀社も、今の営利追求を止め、本来の葬儀に戻らないと、待つのは斜陽どころか滅びになってしまいます。

通夜料理改変(12/24)
・「通夜料理には精進料理」の方針を打ち出してから20年経ちますが、この間、私は全ての葬儀でこの方針を守ってもらいました。
但し西湘地区周辺なら、東華軒特製の料理が使えるけれど、それ以外の地区では担当したケータリング業者は大慌てで、必ず私にどういうメニューを出したらよいかを尋ねてきました。
そういう場合私は、「助六寿司と野菜の天ぷらとお煮染めで十分です」と答えてきましたが、群馬県の葬儀ではこれに野菜サラダを加えてくれましたし、藤沢の葬儀では、料亭車屋がとても美味なお煮染めを用意してくれて、「こんなにおいしいお煮染めは始めて」と皆さんが大喜びされました。
これらの経験から、通夜料理に精進料理を作ったことがあるなしに関係なく、業者は必ずこちらの意図通りにしてくれると確信するようになりました。
しかしその精進通夜料理も見直す時期に来ていると、私は思っています。
東華軒の通夜料理はひとり当たり2千円で、他で提供する通夜料理よりも格安ですが、それでも遺族にとっては結構な負担だし、東華軒にとっては、利が薄いという問題もあると気付いたからです。
いっそのこと通夜料理を止めてしまうのも一案ですが、例えば、宅配寿司から助六寿司を取り寄せ、これにお吸い物と漬物をつけて、給仕は遺族が行うか、もしくは給仕だけの仕事で人材派遣してもらうことなどをグループで検討してみようと思っています。
火葬場弁当はどんどん簡素化しているので、蓮台寺において通夜料理にもよい案が生まれれば、葬儀を下品にしている元凶の「お食事会」から脱する善き提案になると思います。

ゴミ作り(12/22)
・以前、ケータリングのスタッフから「私たちはゴミを作っているだけ」という自嘲の言葉を聞いたことがあります。
ゴミとは、通夜料理のことで、当地では読経中に料理を振る舞う風習があるので、参列者数が読み切れないために、通夜料理は多めに作らざるを得なくなり、余った料理はゴミとして処分されるからで、遺族はこのゴミのために費用負担を強いられているのです。
このことは、ケータリングスタッフでなくとも、葬儀マンなら誰でも分かっているはずで、「遺族に寄り添う」という心が真実ならば、住職たちが全く当てにならない現状においては、自分たちで改善策を考えるべきと思います。
もしそれを実行したら、愚かな風習にがんじがらめのこの地の人たちは一時的には反発するでしょうが、直ぐに目覚めてくれるはずです。
蓮台寺の成功がよき例です。
寺離れが進む今、蓮台寺に入檀希望が絶えないのは、周りの寺院が停滞しているからです。
正しき旗を掲げれば、人々はダメ葬儀社を捨てて、必ずその葬儀社に向かうはずです。
住職たちの怠慢(12/20)
・昨日、湘和会堂での葬儀を終えました。
私は今回初めて、通夜式経本に次の一文を載せました。
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蓮台寺の方針

1戒名一律
 戒名に差をつけるのは、仏教本来の姿ではあ
 りません
2通夜式読経中の飲食はいたしません
3通夜料理は精進料理としアルコール類は出し
 ません
4忌中払いは火葬場のお弁当で済ませアルコ
 ール類は出しません
5「不祝儀には半返し」の精神に立ち戻り 返礼
 品と食事に関しては抑えた金額にし、決して
 「余分返し葬儀」にならないようにします。
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2については、会場入り口に
「寺院の方針により、通夜式読経中の飲食はい
 たしません。
 飲食は、式が終わるまでお待ちください。」
 の掲示がされました。
「余分返し葬儀」を常態にしている湘和でさえ、
「住職の意向」は必ず実施するのだから、この
地で、みっともない風習がやまないのは、
この地の住職たちが怠慢だからです。
時にはざわめきが聞こえ、時にはおでんの匂い
がする中での読経をなんとも思わないのは、
摩訶不思議と言うほかありません。
導師用土産
・先月の我孫子の葬儀で、喪主から「お荷物になるでしょうけど、お受け取りください。お菓子です。」と、大きな紙袋を渡されました。
私にとって初めてのことだったので、一瞬戸惑ったけれど、遠くから出向いたお礼に遺族が特別に用意してくれたと判断し、せっかくのものを断っては失礼になると思い受け取りました。
ただし後で、この判断は甘かったことが分かりました。
先日遺族から渡された葬儀明細書には、「導師用土産」の項目があり、5,000円とバッチリと書かれていたからです。

蓮台寺では、檀徒の葬儀を担当する葬儀社は蓮台寺方式を熟知している4社(門松葬祭、イヨダ、小田原セレモニーホール、小田原市民葬祭)に限られているので、「導師用土産」なんてふざけた無駄はあり得ないことです。
しかし昨日、この地域の葬儀事情に詳しい人から聞いたところでは、他の葬儀社では、この「導師用土産」は常態化していて、しかももっと高額なものを用意することがあるそうです。

このふざけた無駄は、誰が、何時始めたかは知りませんが、それが一部で蔓延しているとすれば、その周辺にはそうなる土壌があったからです。
これによって笑うのは葬儀社と住職、泣くのは遺族で、葬儀業界一部における「なれあい構図」がこういうところにも現れています。